[雑多なデータ&分析]
選挙で政党が候補者を支援する形態は様々で、その支援レベルによって用語が使い分けられている。
かつては同じ意味で使われていた用語が現在では区別して使われるケースもあるため、ここでは私のブログでの注意点を含めて簡単に解説しておく。
ただし、各党の正式な使い分けではなく、私の理解の上での記述となっているため、他者の理解と異なる場合があるかもしれない。
★支援形態
◇公認
政党が発行した所属党派証明書を選管に届け出た候補。
最も高いレベルの支援形態で、本来は党員に対して与えられるものだが、党員でなくとも党と同一行動を取ることを条件に与えられる場合もある。
党員は原則的に公認候補を応援することが義務付けられ、造反すると処分を受ける。
大政党の場合は選挙費用の一部として党から公認料が支払われるが、小政党の場合は逆に公認の条件として党に対する公認料を求められる場合がある。
1つの選挙に一定数以上の公認候補を擁する政党は選挙期間中でも一定の政治活動が許されるなど、政党政治・党営選挙の基本となる支援形態。
◇地方組織公認
党本部ではなく地方組織が独自に「公認」を出す場合がある。
地方組織が党中央に上申した公認願が却下された場合やあまり党を全面に出したくない場合などに使われる。
党本部による党籍証明書が発行されない場合は公式には「無所属」となるが、地方レベルでは実質的に公認候補と同じ扱いを受ける。
全国レベルのメディアでは報道されないことが多い。
◇追加公認
候補者届出時には党非公認だった候補が選挙期間中または選挙後に党の公認を与えられること。
公認調整がもつれていた場合や当落線上の候補に対して支援を強化する場合に行われる事が多い。
当選した非公認候補に対して選挙後に選挙前に遡って公認を与えることもあるが、選管への所属政党変更の届出は選挙期間中に限られるため、法律上は非公認候補のままとなる。
このケースでは、当選者は追加公認されることで公認料を受け取る代わりに議員活動は党員議員として行うことを義務付けられる。
◇党籍証明
党公認候補ではないものの、政党が発行した所属党派証明書を選管に届け出た候補。
法律上は公認と同じだが、公認料を支給しないなど、公認よりも一段下のレベルの支援形態とされる。
党籍証明は与えるが選管への証明書提出を認めない場合もあり、この場合は法律上は無所属となる。
非公認候補に対する党員の支援を認めるための処置として用いられることが多い。
かつては公認候補の調整に失敗した場合によく使われていたが、近年は推薦や支持に取って代わられている。
選挙期間中に追加公認される場合もあるが、党派証明書を既に提出している場合には法律上の届出の変更は必要無い。
◇推薦
政党が党非公認候補の支援を表明する形態の1つ。
公認・党籍証明に次ぐ支援形態で、かつては候補者が非党員である場合の支援形態だったが、近年では、政党色を薄めて他党からの支援を受けやすくするため、あるいは、所属政党を隠して出馬する場合や公認候補の調整に失敗した場合などに使われている。
通常は候補者の承諾を得た上で発表するが、勝手連的に支援する場合にも使われることがある。
◇地方組織推薦など
党本部ではなく地方組織が独自に「推薦」を出す場合がある。
地方組織公認と同様に、地方組織が党中央に上申した推薦願が却下された場合やあまり党を全面に出したくない場合などに使われる。
全国レベルのメディアでは報道されないことが多い。
◇支持
政党が党非公認候補の支援を表明する形態の1つ。
かつては推薦と同じ意味で使われていたが、現在では推薦よりも一段低い支援形態とされる。ただし現在でも政党によっては区別されない。
他の政党や団体との関係で同一の選対本部に参加できない場合や、とりあえず方針を表明する必要がある場合、他候補との兼ね合い、などにより推薦と使い分けられる。
報道においては、推薦や支援を含めて支持と表記する場合もある。
◇支援
政党が党非公認候補の支援を表明する形態の1つ。
かつては推薦や支持と同じ意味で使われていたが、現在では推薦・支持よりも一段低い支援形態とされる。ただし現在でも政党によっては区別されない。
候補者やその支持母体との関係で公に推薦・支持出来ない場合や政党色を薄めたい場合などによく使われる。候補者の承認を得ずに支援する、いわゆる勝手連もこのカテゴリーに分類される。
実質的に推薦や支持と同様の支援体制を取ることもあれば、名目上だけの支援となる場合もあり、幅広い使い方がされている。
報道においては、推薦・支持を含めて支援と表記する場合もあるが、推薦・支持欄には通常表記されない。
◇独自支援・自主支援
政党が党非公認候補の支援を表明する形態の1つ。
支援と同様の形態で、同義に使われることも多いが、候補者の承諾を得ていない、いわゆる勝手連的な支援の場合に使われている。
独自候補の擁立に失敗したため既存の候補者に相乗りする場合や特定候補を落選させるために対立候補を支援する場合などにも使われる。
実際には候補者の承諾を得ていても、政党色を薄めるために使われる場合もある。
★このブログでの取扱い
推薦や支持などは公式資料には載っていないため、新聞・書籍・ネットなどに依っているが、以下のような問題があるためデータとしては不完全なものとなっている
・用語を区別せずに全てを推薦・支持・支援などと記載されていることがある、そもそも昔は使い分けられていない
・全国紙では地方レベルの推薦等が無視されていることが多い
・選挙の途中で追加あるいは撤回された推薦等が訂正されないまま報道されている場合がある
・地方議会会派や政党連合レベル、あるいは党が参加している市民団体レベルで推薦等が出されることがある
・近年では政党色を薄めるために推薦等を公にせずに実質支援する形態が増えている
資料によって異なる場合は資料にあった政党を全て記載するようにしているが、統一した取り扱いを行わず、原資料のままの記載、あるいは、その時々の気分で記載方法を変えているため、参照する際には注意が必要
推薦・支持などの区別ができない場合は、とりあえず全てを「推薦」あるいは「支援」に押し込めた場合もある
支援は補足欄に書いていたりいなかったりするが、特に基準があるわけではない
コメント
コメント一覧 (2)
戦前や昭和20年代のデータもあり、凄い内容の濃いデータベースで感動いたしました。
私も選挙データの蒐集が趣味?で、タイピング練習も兼ね
稚ブログで、市長選からデータをぽつぽつと上げています。
肉付けもしたいのですが、コロナの影響で図書館が軒並み全滅で、
どうしたものか。と言う感じです・・・
どうぞよろしくお願いいたします。
https://poliele.acsrgmcnlr.edu.in/
喜んでいただいて、ありがとうございます。
選挙データベースのサイトを見せていただきましたが、もう半分ほど終わってるんですね。
私のものは、年鑑本などで見つけられない昭和20~30年のデータや市長任期・市議選の日程なども調べて、と思っているとなかなか進まず、既に揃っているデータも昔に集めたものが多く、また資料がもう手元に無いものもあるので、データの確認に使わせていただきます。
図書館がダメなら自治体のサイト巡りはいかがでしょうか?
たとえば、北海道選管のサイトには道内全自治体の戦後の首長選結果が全て掲載されていますし、青森県選管では、自治体の完全なものは1983年以後ですが、選挙の公式な報告書である結果調が全て公開されいます。
他にも、自治体によっては本として刊行されている自治体史が全文公開されていたり、統計書に選挙結果が載っていたりと、宝探しの気分であれこれと見るのも楽しいものです。